Mother's Day2025 インタビュー④
- ロミイ
- 5月19日
- 読了時間: 7分

“ないもの”から“あるもの”へ
書くことで見えた日常の豊かさ
執筆者 Haruさんインタビュー
聴き手:佳橋ルミコ
この春、シングルマザーズシスターフッドのMother’s Dayキャンペーンが5周年を迎えます。この節目の年にあたり、これまで8回にわたってキャンペーンでエッセイを執筆してくれたシングルマザーたちの「その後」に耳を傾ける、スペシャルインタビュー企画を実施しました。
第4弾では、キャンペーン立ち上げ時から参加し、4年で7本ものエッセイを寄稿してくれたHaruさんが登場。執筆を通じて得た気づきや変化、支援の役割、そしてこれからの思いを伺いました。
湧き出る感謝と、新たなる挑戦 2021年5月 https://www.singlemomssisterhood.org/post/mother-s-day2021-essay2
知識はピンチを救う!2021年12月 https://www.singlemomssisterhood.org/post/giving-month2021-essay5
私が思い描く、夢の10階建て 2022年5月 https://www.singlemomssisterhood.org/post/mother-s-day2022-essay1
ドラマを見ない私が出会った名台詞 2022年12月 https://www.singlemomssisterhood.org/post/giving-month2022-essay11
"好き"に会いに行く、680 kmの旅 2023年5月 https://www.singlemomssisterhood.org/post/mother-s-day2023-essay1
はじめてのテント泊で、私のこれからを考えた。 2023年12月 https://www.singlemomssisterhood.org/post/giving-month2023-essay8
今を暮らす、未来へ届ける 2024年5月
1. 過去に執筆したエッセイを今読み返してみて、どんな思いが湧いてきますか?
「よくこれほど書いたなあ」というのが最初の気持ちでした。
キャンペーンにはじめて参加したときは3歳だった息子も、今は 7歳。
どのエッセイにも息子の成長を記録する気持ちで書いていたので、当時の姿が浮かび、「すっかり大きくなったなあ」としみじみとした気持ちになります。
育児に追われながら時間をつくって、当時の自分なりの言葉で書き残した。そのがんばりに「ありがとう」と言いたくなりました。
どのエッセイも、校正を担当してくれた仲間と丁寧にやりとりしながら作ったもので、だからこそひとつひとつが愛おしいです。
2.エッセイを書くなかで、変化はありましたか?
最初は、がんばってポジティブに書こうとしていた
参加当初は離婚の傷が癒えてなかった頃で、ひとり親であることに引け目を感じていました。ないものばかりに目が向いて、「子どもには父親がいない、兄弟もいない。自分自身も夫がいないし誇れるキャリアもあるわけじゃない」と、落ち込んでいました。
でも、ネガティブなことを言って周囲を心配させたくなかった。複雑な思いを抱えた自分の内面を見せないよう、無理に明るく見せようとしていたのかもしれません。
初期のエッセイからは、「がんばらなきゃ」と気負っている様子がエッセイからにじみ出ていますね。そこが当時の自分らしいなと感じます。
ありのままの自分を、受け入れられるようになった
続けてキャンペーンに参加するうちに、ネガティブな自分も受け入れられるようになり、だんだん自然体な文章に変わっていきました。これは、シスターフッドのみんながありのままの私を受け入れてくれたことが大きかったです。
思うように書けず悩んだときも、私の思いに寄り添ってくれて「じゃあこの表現が一番伝えたいことかもね」と一緒に言葉を探してくれました。少しずつ安心感が育ち、「悩みやネガティブな部分を見せても大丈夫」と思えるようになっていきました。
ないものから、あるものへ
エッセイに取り組む中で「自分が持っているもの」に目を向けられるようになりました。ないものばかりと思っていたけれど、公私共に人に恵まれ、意外とあるもののほうが多いと思えるようになった。その視点が身についたことで、落ち込んだときも立ち直りが早くなったと思います。
3.キャンペーンへの参加は、人間関係にも影響を与えましたか?
はい、大きな変化がありました。相手とより深い関係を築けるようになったと思います。
最初は、エッセイを友達や家族に見せることに抵抗がありました。でも、3つめのエッセイ「私が思い描く、夢の10階建て」で書いた息子の話があまりにかわいくて(笑)。思い切ってみんなに紹介したら、とてもあたたかい反応をもらえたんです。
「自分の内面を見せてもいいんだ」と思えたのが、すごく大きかったです。また、自分から内面を見せられるようになったことで、相手も内面を見せてくれるようになり、距離が縮まっていきました。
4.自分のエッセイでお気に入りのフレーズがあれば教えてください!
はい、3位からランキング形式でお伝えします。
第3位
「プライベートでは、職場結婚して、育休中に電撃(?)離婚。社内を少々ざわつかせ、最高に気まずい職場復帰を果たした。」
2023年12月執筆「はじめてのテント泊で、私のこれからを考えた。」
当時は本当に気まずかったし、笑い飛ばせるような心境じゃありませんでしたが、こうやってネタにできるようになったことで、心の回復を感じられました。
書けたこと自体が嬉しかったです。
第2位
「いつか私も、必要としている人に自分の作ったレモネードをそっと差し出せたらいいな、と思う。」
2022年12月執筆「ドラマを見ない私が出会った名台詞」
このときのキャンペーンのテーマが「Turn lemons into lemonade.(レモンをレモネードに)」でした。
離婚というレモンを受け取った私にとって、シスターフッドとの出会いはレモネード作りの始まりだったと思います。
辛い経験をしたからこそあたたかく寄り添ってくれた、シスターフッドのみんなのようになりたい。そんな思いをこの一文に込めました。この気持ちを忘れないでいたいと、今も思います。
第1位
「重ねられた小さな手を味わいながら、二人で次回の作戦会議をする。」
2023年5月執筆「"好き"に会いに行く、680 kmの旅」
この一文を読むと、当時の息子の笑顔や重ねてきた手のやわらかさをありありと思い出せます。
写真とも動画とも違う形で、当時感じたことをリアルに残せている気がして、気に入っています。
これを書いてくれた当時の自分に「ありがとう」と感謝したくなるフレーズです。
5.これからの3年間で大切にしたいこと、実現したい夢や目標は?
いちばん大切にしたいのは「心身の健康」です。子育ても仕事も、まずは自分が元気でいないと楽しめないと実感しています。だからこそセルフケア講座には継続して参加し、昨年度はシスターフッドの新たな取り組みであるランニングクラブにも挑戦しました。
ランニングが習慣化するなかで、書くことと走ることはどちらも“自分との対話”だと気づきました。走り終えたあと、書き終えたあと、どちらも「やり切った」という満足感があり、今の自分をそのまま受け止められる。そんな感覚を仲間と共有できるのも、シスターフッドのあたたかさだと思います。
夢は、6つめのエッセイ「はじめてのテント泊で、私のこれからを考えた」にも書いた「絵本を広める活動にかかわること」。今は作家になりたいというより、素晴らしい絵本を必要な人に届ける活動をしたいと思っています。。
有志で企画した親子イベントや、小学校での読み聞かせにも挑戦してみたところ、子どもたちの反応がとても嬉しくて、心から楽しいと感じられました。絵本専門士にも憧れがあります。
こうして夢を人に語れるようになったのも、エッセイを書き、仲間に背中を押してもらった経験があったからだと思っています。
6.読者へメッセージをお願いします
エッセイを読んでくださったみなさまには、感謝の気持ちでいっぱいです。
私は、書くことを通じて「ひとり親としての自分」を受け入れられるようになり、今では息子とのささやかな日常を愛せるようになりました。
家族のかたちは人それぞれ。でも、かたちではなく、あたたかさこそが大切なのだと今は感じています。
シスターフッドのエッセイには、シングルマザーたちの思いと家庭のあたたかさが一貫して描かれています。このキャンペーンが広まり、いろんな家族のかたちがあることが社会に自然と受け入れられていくことを願っています。
Haruさん、ありがとうございました。書くことを通じて少しずつ自分を受け入れ、日常の豊かさに目を向けていった変化が、言葉の端々から伝わってきました。親子で過ごす日々が、これからもあたたかく豊かな時間となりますように。心から応援しています。(ルミコ)
Mother’s Dayキャンペーン2025をぜひ応援してください!
最後までお読みいただきありがとうございました。NPO法人シングルマザーズシスターフッドは、ひとり親の心身の健康とつながりを支援する団体です。毎年5月と12月に、応援の寄付を募集するキャンペーンを実施しています。
いただいたご寄付は、シングルマザーのセルフケア講座や表現による自己の回復プログラムを継続するための運営費として大切に使わせていただきます。こちらの寄付ページで受け付けております。
シングルマザーズシスターフッドの支援活動に少しでもご共感いただけましたら、ぜひ応援者になっていただければ幸いです。
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